#ボードゲームたのしいね

全作オススメ! 遊んで楽しかったボードゲームのことを、ボードゲーム作家が2人がかりで書き綴るご機嫌なブログです☺

『たのしいねアワード2018 ボードゲーム部門』なかよし編

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「たのしいねアワード」のボードゲーム部門、その年1月1日~12月31日までに遊んだゲームの中から、印象深かった作品や好きな作品を選びたいだけ選ぶ!

その2018年版なかよし編がいよいよ発表です!

え、もう4月?5月?令和?

いやいや、書き始めたときはまだ3月だったんですよ!

 

目次▼

 

大賞

「2018年の1年間に遊んだゲームのなかで、最高だったゲームの中でも、いちばん最高なのは?」という質問をされたとしたら、ひねりだす回答の例がこの賞です。

同じ質問を明日聞かれたら違う答えになる可能性もありますが、とにかく今日はこれ!

『プラネットメーカー / Planet 』Blue Orange (2018)

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エッセン合わせで発表されたのかな?海外版を持ち帰った方のご好意で遊ばせていただきました。めちゃめちゃ気に入ったので大賞です。冒頭の写真でネタバレ済みですが。

惑星を作るというコンセプトで手堅く1点目!

そこから12面体に五角形のパネルを磁石でくっつけていく仰天ギミックでビジュアル面でも堂々2点目!

そんな自分の惑星がちょっとずつできあがっていく中で、いろんな動物を生息させていけた人が勝ち。みたいな最高の得点方式でダメ押しの3点目!

2018年ボードゲーム界に起こったハットトリックですよこれは!!!

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1面ずつマグネットでタイルを貼り付けていくと、ゲームの終わりに惑星が完成するんです。ゲームとして落とし込まれた形式には好き嫌いもあるかとは存じますが、コンセプトだけでもう、はっきり申し上げて最高じゃないですか?

いまは海外から輸入するしか入手できないと思います。アークライトさんが『プラネットメーカー』というタイトルで日本語版を準備中だそうなので、期待して待ちましょう。

きっと国内でも手に入れやすくなるってことだと思うので、日本語版発売の暁には2セット買って8人プレイに備えたり、もっと自分好みなバリアントルール考えたりしたいですね!

 

プラネネットメーカー / Planet
2-4人用 / 8歳以上 / 30-45分
Designer: Urtis Sulinskas
Publisher: Blue Orange(2018)
※アークライト社より日本語版の発売告知あり

 

ダイスゲーム賞

ゲーム中、主にサイコロを使うゲームっていうのはなんだって最高になりがちなんですが、なかでも特に気に入った作品に贈る賞です。

『イスタンブール:ダイスゲーム』日本語版 ホビージャパン (2018) / Istanbul: The Dice Game

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サイコロをいっぱい振れる最高のゲームですよ!

毎手番、サイコロの出た目からアクションを選びます。

品物を買ってもよし、手番を強化する手段を積み重ねてもよし。すべての手段はルビーを集めることにあるのです。

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どんな目が出ても一方的に無敵という訳にはいかない、選択の余地があります。

とはいえ、サイコロやアクションを増やしてコツコツ進めている横で、出目の暴力だけで勝利をかっさらうことができるのは、やるのもやられるのも気分がよかったりしますよね。

豪運!!!ってなる。めでたさがある。

そういったサイコロだけが生み出せるむき出しのドラマを感じられます。

1回のプレイ時間も短くてルールの把握も比較的ちょろい。

すごくおすすめです。

イスタンブール:ダイスゲーム / Istanbul: The Dice Game
2-4人用 / 8歳以上 / 20-40分
Designer: Rudiger Dorn
Publisher: ホビージャパン(日本語版2018)

 

すごろく賞

すごろくとは何か?っていうのは議論に値する問なのですが、ひとまずここはマス目がありコマがありゴールを目指すくらいのノリで定めます。

そもそもまこともなかよしも、すごろく物にはめっぽう弱いところがあるのですが…なかよしが2018年に遊んだ最も面白いすごろくとは!?

『エルドラド / The Quest for El Dorado』 Ravensburger (2017)

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まさにすごろく!

しかも冒険できます。密林を切り開き、砂場をさまよい、切り立つ岩山に阻まれ、いくつもの川を渡り、黄金の都エルドラドに早いものがちでたどり着くのです。

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サイコロの代わりに使うのは、カードです。自分だけの山札をアップグレードしていくのも楽しいし、それにかまけてニヤニヤしているうちに、先を越されるかもしれないハラハラもあります。ウサギとカメかよ。

他のプレイヤーと欲しいカードを奪い合ったり、ボード上でたどるルートで牽制し合ったり、デッキを育てたり。サイコロがないので運の要素が低めかと思いきや、クライマックスでは1マスや1ポイントで勝負が決まる状況になりがちで、カードを引く指には願いを込めずにはいられませんね。

どこのメーカーさんでもいいので、拡張込みの日本語版を一刻も早く流通させてほしいです!

 

エルドラド / The Quest for El Dorado
2-4人用 / 10歳以上 / 30-60分
Designer: Reiner Knizia
Publisher: Ravensburger (2017)

 

古代ギリシャ賞

ダイスゲーム、すごろく、という各賞からの流れで、古代ギリシャ枠です…なんだその賞って思いました?

いいじゃないですか、好きなテーマで賞を作ったって!

『デルフォイの神託 / The Quest for El Dorado』 Ravensburger (2017)

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このゲームでプレイヤーは、各地の試練を乗り越えるべくゼウスの元から旅立ち、そして他の誰よりも早くゼウスの元へ戻ってくることを目指します。

スタートとゴールがある!
しかも毎手番ごとにダイスに運命を左右される!

あれ…それってすごろくじゃね?

そうなんですけど、すごろく部門ではエルドラドを推したかったので、「デルフォイの神託」を推すためだけに別の賞を設けたって寸法です。

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でも普通に面白すごろくだと思うんですよ、デルフォイ。

どの順番で試練をこなすかという大まかな作戦は考えつつも、思うようにならないダイスの目にしたがって方針をアレンジしたり、ここぞというときの消費アイテムや神様パワーで望むダイスを出させたりっていう、毎手番に積み重ねていく判断が、最後のゴールの差になるんです。

共通の盤面も広くて華やかですし、手元のボードにはギリシャ神話でお馴染みの神々が賑やか。

遊んでいる風景を写真に収めておきたくなるゲームです。

プレイ時間が長め表記ですけど、キリキリと悩むような緊張感の度合いは低めなので、気の合うメンバーとゆったり遊ぶのにおすすめしたいですね。

 

デルフォイの神託 / The Oracle of Delphi
2-4人用 / 12歳以上 / 70-100分
Designer: Stefan Feld
Publisher: ホビージャパン (日本語版 2016年)

 

インディーズゲーム賞

せっかく自分が活動している趣味ジャンルなので、広く流通しないような個人制作のボードゲームの中からも、よかったやつを選んでおきたいなっていう気持ちの賞です。同人ゲーム賞と呼ぶことも可。

『トレンド / TREND』 STUDIO U×F (2018)

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箱からして可愛いし、中身も可愛い。

なんと中のカードのイラストはどうやらオールユニーク、つまり1枚1枚絵柄違いになっていて、この作品に掛けた手間暇を想像すると目頭が熱くなります。

手札にするにはやや扱いづらいほどの、大判のカードサイズにわざわざなっているのも、作り手のこだわりを思えば納得です。

大きくしてくれてありがとうと言いたい、なぜなら扱いやすさを犠牲にする価値があるからです。

だって大抵の人はイラストに興味を持ってこれを手に取ってるでしょう? だったら大きなカードで観れたほうが嬉しいですよね!

そういう判断を感じられることが私は好みです。

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さて、そんな見た目とかこだわりの話に終始しないのがこの作品のすごいところで、ちゃんとゲームが遊べます。

ゲームは、手札が自分のお店の商品で、場が街。手番には街に商品を配置することで、ビンゴ的な要領で縦か横で共通のファッションを作れたらそれがトレンドになり、お店の商品が得点に変わるというような内容です。

特殊な効果のあるファッションとか、お店ごとの能力みたいなものも含めて、作り手がやりたかったことがよく伝わる作品で、とっても気に入りました。

で、ここからはただの妄想なんですけど。

10年単位くらいのファッション別に5つくらい山札分けて、ゲーム時間の経過とともにファッションの傾向が入れ替わっていくとか。ゲーム展開によっては過去の山札が再登場したり、お店のデッドストックがリバイバルでめちゃ価値を持つとか。

そういった要素ドカ盛りの続編、出ませんかね!?

 

トレンド / TREND
2-5人用 / 8歳以上 / 15-30分
Designer: STUDIO U×F
Publisher: STUDIO U×F (2018)
※インディーズ作品です。

 

サークルさんの通販はこちら▼

STUDIO U×F - BOOTH

 

自作ゲーム賞

2018年に自分が作ったゲームの中からもひとつくらい選んでおくための賞です。

こういうのは誰かに頼るんじゃなく、自分で自分を褒めるんだ!

『東京アルティメット賃貸 / TOKYO ULTIMATE CHINTAI』 東京なかよしデザイン(2018)

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2018年秋に発表した作品で、賃貸をテーマにしたカードゲームです。

制作秘話みたいなのも書きました▼

【デザイナーズノート】『東京アルティメット賃貸』ができるまで - #ボードゲームたのしいね

そして本作のその後の展開なんですけど。

2014年から欠かさず参加している年二回のゲームマーケットというイベントでは、毎回そのときの新作に投票する企画をやっていて。

通算10回目のイベント参加にして初めて、『東京アルティメット賃貸』で投票結果のページに記載してもらうことができました。

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ゲームマーケット公式サイトのアンケート結果ページより

この23位っていうのがまた微妙に見えるのかも知れないんですけど、全680タイトルのなかから、同率順位が多いんで上から数えて8段階目の成績っていうのは、これは大健闘だと思うんですよね!

自作ゲームって、作ってる最中にいろんな調整や変更を重ねながら繰り返し遊びまくるので、だんだん味がよくわからなくなってくるんですよ。

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いちおう、いろんな不本意になりそうな点は取り除いて行くわけですから、確実にブラッシュアップしてるはずなんですけど、世にでる頃にはでも、これって面白いのかな~、面白い気がするな~、みたいな印象になってる。

それがリリース後にこうやって、いろんなみなさんに遊んでもらって形に残るような評価をしていただけたっていうのは、ほんと嬉しいやらありがたいやらで。

これからも頑張ろうと思いました。

ので、2018年の自作ゲーム賞はこれで決まり!

 

東京アルティメット賃貸 / TOKYO ULTIMATE CHINTAI
2-4人用 / 10歳以上 / 30分~
Designer: なかよし
Publisher: 東京なかよしデザイン(2018)
※インディーズ作品です

 

本作の入手方法はこちら▼

 

2019年春の新作もよろしくね▼

インフィニティミライボックス | 東京なかよしデザイン | ゲームマーケット

 

https://twitter.com/TkyND/status/111360928784514253

まとめ

去年1年間の分の振り返り記事、年が明けてから4ヶ月も過ぎてしまいましたが、せめて平成の間にアップすることができたのでよかったです。

私はちょろいので、もっともっと紹介したいタイトルがたくさんあったんですけど、時間は有限なので、ひとまずここで区切りとさせていただきました。

2019年もゲームでばんばん遊んで楽しく過ごしていきたいものですね!目下進行中!

ちなみにこの記事は「なかよし編」ですが、「まこと編」はきちんと1月に公開済みなので、読んでないあなたはそっちも見てね。 

まこと編▼

『たのしいねアワード2018 ボードゲーム部門』まこと編 - #ボードゲームたのしいね

 

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この記事を書いたのは、なかよし(東京なかよしデザイン)