#ボードゲームたのしいね

全作オススメ! 遊んで楽しかったボードゲームのことを、ボードゲーム作家が2人がかりで書き綴るご機嫌なブログです☺

たったの2時間で銀河の彼方へ僕らを載せて『ブラックエンジェル / BLACK ANGEL』【120点】

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母なる地球壊滅の時

国家や勢力は互いの利益を度外視して
1つの銀河航行艦を作り上げた

それがブラックエンジェル計画

人類の遺伝的遺産を
何千年も果ての銀河へ
送り届ける物語

様々な思惑が交錯する人間では
1つの航行システムにすべての思いを
託すことは出来ない

そこでプレイヤーたちは
ブラックエンジェルの航行AIとなり
目的地にたどり着くまでの間
よりよい航行を提案した者に
次なる人類を導く役目を託すことにした

 

という
期待以上に壮大なゲーム

なにそれ
やるでしょ

 

どんなゲーム?

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銀河を旅しながら
様々な種族と交流し
敵対宇宙人の被害を避けつつ
ブラックエンジェルを無事に
居住可能な惑星まで運ぶことを目指します

プレイヤーは航行AIであり
その優劣は航行上の
よりよい選択の結果で測られる

ただし協力ゲームではありません

独立した判断同士が衝突した結果
お互いに足を引っ張り合うようなこともある

そんなてんやわんやの結果で、
時には目指す星には辿りつけないまま
敵対宇宙人に船を壊されたりもする

 

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さて遊び方ですが
やることが数段構えになっているので
最初は戸惑うかもしれません

初級ルールを前提にして
簡単に書いていきます

まずはメインボードが2つ

ブラック・エンジェル号を載せて動かす
いろんな惑星の描かれた宇宙ボード

ロボットやダイスを動かし、
損傷や修理、得点状況などを管理する
ブラック・エンジェル号の内部ボード

それとは別にプレイヤーごとに
個人ボードが1つずつあります

メインボードの準備を終え、
個人ボードに初期の能力タイルを配置して、
最初のダイスロールを済ませて
手札を受け取ったら、
いよいよゲームが始まります

 

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プレイヤーが
手番にするのはまず
手順Aか手順Bを選ぶことです

乱暴にいえば、
通常アクションの手順Aと
補充アクションの手順Bって感じ

手順Aを選んだらまず、
自分の手札を個人ボードに配置して
個人ボード上に並べたタイルのうち
置いたカードに対応する能力を発動させる

次に自分の確保しているサイコロを1つ選び
その色に対応するアクションをひとつ実行する

それが済んだら
使ったサイコロは
対応する色のサプライに戻し
その色の山札から1枚を引いて
手札に加えて手番終わりです

一方、手順Bでは
共有の場所にあるサイコロを
振れる数だけ振り自分の場に確保する

そして個人ボードを埋めているカードを捨てて
また使えるようにして

ブラックエンジェル号を
1つ先の空域まで移動させます

 

手順Aを何回かやっては手順B、
みたいなことを全員で繰り返しながら

敵対宇宙人の赤い山札が尽きるか
目的地である惑星スペズまで
ブラック・エンジェル号が辿り着けば
ゲームが終わります

得点トラックの現在得点に
個人ボードやサプライによる得点を足して
勝利点が最も高いプレイヤーの勝ちです

 

たのしいね、遊んだ感想!

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「トロワ」というゲームがある
そして「ソレニア」というゲームがある

この2つを足して
2で割らない感じのゲームが
この「ブラック・エンジェル」だという

凝った世界設定や
壮大なアートワークに心惹かれるし

4つの個人ボード、
ブラック・エンジェル号の内部ボード、
航行する宇宙を表す回転ボード

そしてシャトルやロボ、
ブラック・エンジェル号などの
こだわりを感じるコンポーネントは
とてもワクワクする

理不尽に感じるほど複雑で
積み重ねられたゲームシステムは
よりよい選択肢を探す喜びをそそる

巷の感想を探してみると
「トロワの方が面白い」とか
「ソレニアの方がわかりやすい」
なんて声も見かけていた

同じデザイナーが
手掛けているということで
何かと比較されやすいのは理解できるが

実際にやってみると
似ているようでやはり
全然異なる味がした

ブラック・エンジェルは
ブラック・エンジェルを
やることでしか味わえない
ロマンにあふれているし
重厚な体験と挑戦がある

1つの手番のたびに
いろいろな冒険を感じられた
この作品は私はとても好きだ

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特に気に入った点は
わざわざ日本語版が制作された醍醐味!

ゲームの遊び方以上に
様々な情報の詰まった
マニュアルですよ

ゲーム中では
色の違い程度にしか認識されない惑星と
そこに暮らす宇宙人には
それぞれに性格や文化のような設定があり

理解していればゲーム的にも
納得できるような物品を
提供してくれていたりする

こんなことなら、
欲を言えばもっと
交流アクションをしたい

したいけど
やってる暇がないくらい
すでに選択肢は多い

サイコロを振ることがあるし、
カードを引くこともあるので
運も多少あるにはあるけど

これは確かにAIとして
臨機応変な判断を積み重ねながら
よりよい道筋を示すゲームだ

長い旅だから
船は修理しないといけないし
外敵は倒さないといけない

そしてその報酬も
きっかり得られるところもよい

プレイヤー同士、
お互いに揉めてはいるけど
同じ仲間だし

仲良く宇宙を
旅できたらもっといいな

慣れても2時間くらいはかかりそうな
長いゲームだけど、
ぜひまた遊びたいです

 

ブラックエンジェル / BLACK ANGEL
1-4人用 / 12歳以上 / 約60-120分
ゲームデザイン: Sebastien Dujardin, Xavier Georges, Alain Orban
アートワーク: Ian O'Toole
メーカー: HobbyJapan (日本語版 2019)

Black Angel | Board Game | BoardGameGeek

 

 

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