#ボードゲームたのしいね

全作オススメ! 遊んで楽しかったボードゲームのことを、ボードゲーム作家が2人がかりで書き綴るご機嫌なブログです☺

『ルナ・キャピタル』カードを並べてタイルをつなげるパズルで、月面に首都を築こうよ【100点】

 

ごきげんよう、なかよしです。
宇宙テーマというだけで評価にバフを掛ける(=贔屓する)ことに定評があります。

 

さて『ルナキャピタル』。
見た目がかわいく、やることがシンプルで手堅い対戦パズルゲームです。

日本語版が出てしばらく経ちますかね。我が家のテーブルにて、ようやく遊ぶ順番が回ってきました。ヤッタネ!

宇宙テーマはなるべく推していきたい気持ちが強いので、感想を書きました。
気になる類似ゲーム『カスカディア』との比較もしたよ!

 

目次

 

どんなゲーム?

プレイヤーは月面で展開する大手企業の経営者。

月面での人類の繁栄に貢献して、首都を築く栄誉を目指します!

 

手番には、まず共有の場からカードとタイルの組み合わせを選んで受け取ります。カードは手札に加えます。敷地となるカードと、建物のタイルがランダムな組み合わせで共有の場に並んでいます。

そして手札の中から1枚を選び、自分の場に並べて敷地にします。

この手番に受け取ったすべての建物タイルを、自分の敷地の好きな空きマスに置きます。

これを1ラウンド4回、3ラウンドで合計12回繰り返したらゲームが終わります。

 

建物タイルの多くは得点源で、並べ方に応じて得点の入り方が変わります。

手札がもらえたり敷地の配置規則を無視できる効果を持つ建物もあります。

共通の目的カードによって、配置条件などを満たすことで与えられる得点もあります。目的カードはラウンドごとに早いもの勝ちだから、他の人と狙いを競うか競わないかという判断もあります。

 

ゲームの終わりまでに、共通カードの達成状況や自分の場に並べたカードとタイルによって得られる点数を集計して、得点が高かった人がゲームに勝ちます。

 

たのしいね、ゲームの感想!

まず見た目やテーマが好き!

色味は地味ですが、十分にかわいいですよね。

ゲーム自体はやることが比較的シンプルでありつつも悩ましくも、手堅いパズルゲームです。

ゲーム性には直接関係ないものの、タイルやカードの山を置く場所が立体物になっていたり、各プレイヤーが持つ駒がそれぞれ特別な形でテーマに合わせてあるところも好印象です。

4人まで遊べるゲームですが、2人で遊んだとしても盤面のリフレッシュなどが基本的な手順に組み込まれているので、ゲームが停滞しにくいように感じました。

それから手番順とかめくり運の影響はあるにせよ、うまく緩和してそれらが効き過ぎないようなルールが違和感なく適用されていることにも感心しました。

無味乾燥になりがちなパズルみの強いゲーム群において、設定が凝っており見た目もよく、ルールも気が利いています。

敷いて弱点を挙げるなら、見落としやすそうな細かなルールがいくつかあることくらいでしょうか。それだって全員が間違って遊ぶなら、大した問題にはならないでしょう。

総じて完成度の高いゲームだと思います。おすすめ!

 

『ルナキャピタル』と『カスカディア』

『ルナキャピタル』は、同時期に発売されたパズルゲーム『カスカディア』としばしば比較されるタイトルです。

どちらも遊んだことがあるので、共通点や相違点を挙げます。

みためのちがい

・六角形で、自然地形と動物を扱うのがカスカディア。

・四角で、SF宇宙テーマなのがルナキャピタル。

同じところ

・手番にタイルと駒を取るのがカスカディア。駒はタイルにすぐ載せる。

・手番にカードとタイルを取るのがルナキャピタル。タイルはカードにすぐ載せる。

・どっちも表記は45分級だけど、うんうん悩むことが多めなので考える時間も長め。

違うところ

・タイルでも駒でも点数を稼ぎたいのがカスカディア。特に駒の配置には厳しい配置制限がある。

・タイルの配置のみで大きく得点が変わるのがルナキャピタル。カードには配置条件があるがタイルにはほとんどない。

・端的には、ルールはカスカディアのほうが少ないが、その分悩みが重い。ルナキャピタルはルールが多めな分、選択肢の余地が広くあり、結果的に悩みが軽い。と言えるかも。

・ちなみにカスカディアは20手番、ルナキャピタルは12手番。総得点はルナキャピタルのほうが高くなりがち(100点前後)かな?

体験の差

・より高得点を狙うための選択肢が、かなり絞られるのがカスカディアです。手番には狭い条件のなかから、最善手になりそうな方を見出すことに悩みます。そもそもルール上の制限が大きいので、他の人がどのタイルを選び何が残ったかという影響もモロに受けます。

・高得点を狙うための選択肢がかなり広いのがルナキャピタルです。「こうしたい」「こうなったらベスト」みたいなことは思いついても、そうそう起こりません。他の人の影響も多少は受けるけれど、基本的には手番ごとに次善と思える策を選んで積み重ねていくような展開が主になるでしょう。

どちらがオススメ?

結論から言うと、どちらもオススメです。

どちらも中量級で安定感のあるパズルを遊びたいときの良き候補であり、このどらちかで迷っているシチュエーションなら、基本的には遊ぶメンバーの好みを考えて選べばよいと私は思います。

動物や自然が好きならカスカディア。宇宙やSF、あるいはアニメチックなイラストが好きならルナキャピタルといった具合で決めましょう。

賞を受けるなど、カスカディアのほうが世界的世間的な注目度が高いですが、遊んだときの手応えや気分が大きく異なるゲームとは私は思いませんでした。

ルール量にも違いはありますが、私の遊ぶ環境ではどちらが初心者向きとは決め難いように思われました。だからやっぱりテーマ的な好みを優先すればよいでしょう。

なかよしが好みで語る

個人の好みでいうと、この記事では『ルナキャピタル』を推させて頂きます。

冒頭でも申し上げた通り、前提として宇宙テーマのゲームでは評価に下駄を履かせがちなので。

実際のところ動物テーマも好きなのですが、カスカディアを遊んでみると、あまりテーマを活かしている作りとは思えません。

実在の地名を扱い実在の動物を扱っている割には、地形がプレイヤーの自由になるのはなんでや?と思いますし。登場する動物は5種類しかなく、考えることは指定されたものを高得点狙いで置けるかどうかということに終止するので、発見するとか生息させるみたいな気分にはならないです。

はて、カスカディアにおけるプレイヤーってなんなんだろう…神かな?

とはいえ神とは書いてなかった気がするので、やはりテーマの再現や体験よりも、パズルの面白さを優先しているということでしょう。でもそれはそれ。まったく問題ない判断です。だってゲームだからね!

パズルみの強いゲーム性という点では、ルナキャピタルも負けず劣らず。

ですが設定上、プレイヤーである自分が都市の発展を主導するという立場なので、カードやタイルの配置の制限や自由度は遊びながら想像してなんとなく腑に落とせる余地があります。

ゲーム終わりの盤面をみても、点数はともかく納得できたな。だって自分で選んで決めたもんな。みたいな気持ちになりやすいかなあと思います。

とはいえ両者を比較するならば、世間的な評価は明らかに『カスカディア』に軍配があがっている模様なので、どちらも気になる方やパズル好きはぜひ両方買って遊んでみて下さい。

このような手堅い中量級が豊作なのは幸せなことであります。このハッピーな環境をぜひ共に味わい喜びを分かち合いましょうぞ~☺

 

『ルナ・キャピタル  / Luna Capital』
1~4人用 / 約45分 / 8歳以上
Designer: Jose Ramón Palacios
Artist:  Albert Monteys
Publicher: ケンビル(日本語版 2022)

LUNA Capital | Board Game | BoardGameGeek

 

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この記事を書いたのは、なかよし☺(東京なかよしデザイン)

 

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