以前から国内でも評判の高かった『マウンテンキング』。
横浜中華街のゲームショップ「リゴレ」さんから、待望の日本語版が登場しました!
発売は、11月に開催されたゲームマーケット2020秋だったのかな?
おかげさまで私も本作を、ようやく遊べる機会が得られました。
このゲームで手番にできることは、穴を掘るか、仲間を集めるかだけ。
採掘される資源や仲間候補の能力は見える。でもあまり先のことは分からない。ベスト策をひねり出すにも限度があるから、してみたいことを優先して遊べちゃう。
見通しのすっきりしたやりくりが楽しい、1時間級のゲームです。
日本語版の登場以前は自分で輸入しなきゃいけなかったりしましたからね。
遊びたくてもハードル高かったんですよね~ありがたい!
ゲームの紹介と感想を書いておきます。
【目次】
どんなゲーム
プレイヤーは、トロールたちを導くリーダーとなって、山を掘り、仲間を集め、発掘された彫像を祭壇に掲げます。
手番に選べるアクションは「トンネルを掘る」か、「仲間を呼ぶ」かだけ。
それら2つのメインアクションの前後に、「呪文」や「工房」の使用、そして「彫像」の移動などの追加アクションが任意で行えます。
「トンネルを掘る」と、資源の変換効果などをもつ強力な「工房」が使えるようになったり、大きな得点源となる「彫像」を掘り出すことができます。
また、トンネルを特定の形に掘ることで「広間」を作ることができます。広間も彫像と組み合わせることで大きな得点源となり得ます。
トンネルを掘ること自体でも得点が得られるのですが、そのためには掘りたいトンネルの大きさに応じた資源の支払いが必要です。
資源を大量に手に入れる方法が「仲間を呼ぶ」ことです。
仲間のトロールは、レベル1なら無償で雇うことができますが、レベル2や3になると貴重なコインの支払いが必要になります。
そしてもちろん、レベルの高いトロールの方が獲得資源が多かったり、彫像の高得点下に不可欠な「台座」をもたらしたりと、仲間にすることの恩恵は大きくなっています。
トロールによる資源の獲得方法はユニークです。
新しく獲得したトロールを、トロールムートと呼ばれる自分だけの場に、ピラミッド状に配置していきます。するといま置いた新しいカードの分だけでなく、その下段につらなるカードも再稼働して、再び資源が得られるのです。
ピラミッド状なので、最後の1枚である頂点にトロールカードを置くときのガッポがポな勢いには、このゲームの名の通りのキング感を覚えます。ただしこのトロールムートの完成はゲームの終了条件でもあるので、ゲーム中1度しか味わえないことがすこしさびしい。キングになれるのは一瞬。
各手番では、メインアクションを行うまえに「呪文」や「工房」を利用するチャンスがあります。条件を満たせば、任意で使うことができます。
呪文や工房は、どれもゲーム中の制限や不自由さを一時的に大幅に解消するような能力を持っています。場で共有されているので他のプレイヤーとの奪い合いにもなりますが、非常に強力なので積極的に活かしたいところです。
さらに各手番のメインアクションのあとには、「広間」や「台座」の設置、そして掘り出されている「彫像」の移動や設置など、高得点に不可欠な手順があります。やりくりできる中で何のために穴を掘るか、どの資源を得るかを決め、うまく得点につなげられるかを考えます。
ゲームの最後に最終得点計算をしたら、最も得点の高かったプレイヤーが「山の王」
となり、ゲームに勝利します!
たのしいね、遊んだ感想!
マウンテンキングという派手めな名前とは裏腹に、とても堅実なやりくりを要求されるゲームです。
説明書に「プレイヤーはパズルに挑む」のように書かれています。そのため見た目にもパズルっぽさの印象の強いトンネルタイルのことを、まずは意識することでしょう。
でも実は、このゲームで1番のパズル要素は、資源マネージメントのパズルです。
どのようにトンネルを配置するかということよりも、どのタイルをいくつ使うか、そのための資源をどうやって用意するか、頭の中でこねくりまわします。
さらに、「彫像」や「台座」「大広間」だけでなく、「トンネルタイル」は、ゲーム中限られた数しか登場しません。
つまり得点源すら限られた、資源なのです。
しかも得点源はプレイヤー全員で共有されており、入手や配置のタイミングをはかる手順パズルを解くことも重要になっています。
ただし、どんなにやりたいことを思いついても、自力でコントロールできない影響は大きいです。資源のために必要なトロールが手に入るかどうかや、工房、呪文、台座の設置などの場面で、他プレイヤーとの競合も起こるからです。
おかげで、いくら最適な資源運用を考える必要があるとはいっても、終盤までのプランを早期に立てるようなゲームにはなっていません。このことにより、このゲームは手強さがかなり緩和されている気がしました。
それでも考え込んじゃう人もいるかもしれませんが、全体で考えることの割にはずいぶん遊びやすい味付けになっている印象です。
「さては本当のパズルどころは、トンネル配置のぶぶんじゃねえな!?」って気付かされたときはアドレナリンがたぎりましたね。
遊んでいる風景もにぎやか。トンネルタイルが並んでいくのも、ピラミッドがつらなっていくのも楽しいです。
なるほど、まさに現代風のゲームだな!という感じ。
2020年のいま優先して遊ぶべきと言える、とても優等生な作品だなと思いました。
アートワークに、クワンチャイ・モリヤさんが参加してるのも好感ポイントです。日本語版のためのオリジナル制作という、サマリーがついてるのもありがたいですね!
『マウンテンキング / In the Hall of the Mountain King』
2-5人用 / 12歳以上 / 約75-90分
Designer: Jay Cormier, Graeme Jahns
Artist: Josh Cappel, Kwanchai Moriya
Publicher: リゴレ (日本語版 2020)
In the Hall of the Mountain King | Board Game | BoardGameGeek
この記事を書いたのは、なかよし☺(東京なかよしデザイン)
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