『ガニメデ』の拡張セット、『ムーン』です。
そもそも「ガニメデ」は木星の第三衛星なわけですけど、この拡張セットで地球の衛星である「月」もゲームに登場します。
何が起こるのかな? ワクワク!
遊ぶ機会があったので、さっそく感想を書いていきます。
ガニメデ自体がどんなゲームか、は、基本セットで遊んだときのブログをご覧ください。
『ガニメデ / Ganymede』植民船をバンバン打ち上げて、ライバル会社を出し抜こうよ【100点】 - #ボードゲームたのしいね
どんなゲーム?
ガニメデの基本ゲームに「月」と「アドバイザー」の新要素をもたらす拡張です。
個人ボードの左右両端に、追加のボードが置かれます。
左側は「月」のボード。
タイルを新たに置ける第4のスロットも備えています。
月ボードにタイルを置いた場合、そのミープルは地球ではなく、月に置かれます。月のミープルは毎手番の始めに1つだけ、無料で地球に移すことができます。
ちなみにタイルのシンボルは、元のボード上のタイルスロットと合わせて参照されます。つまり基本ゲームでは最大3倍だったボーナスも、最大4倍へと上限がアップ!
タイルを選択する手番の悩みと気持ちよさがさらに高まりますね。
新要素である「アドバイザー」の駒も、月からスタートします。
右側は「アドバイザー」を置くボード。
アドバイザー駒を月からガニメデまで運ぶたびに、強力な能力を備えたアドバイザータイルを獲得して、このボードに置くことができます。
アドバイザー駒はミープルとは区別されるためシャトルでは運ぶことができず、基本アクションやボーナスによる「移動」によってのみ動かせます。
しかも火星からガニメデに行くときには別途手札の植民船をコストとして要求してくるワガママっぷり!
しかしアドバイザータイルを獲得する恩恵も大きいので、計画的にどっちを取るか判断しなければなりません。ガニメデまで運ばなくとも、地球や火星などアドバイザー駒がいるだけで恩恵があったりもしますし…。
と、要素は増えましたが、ゲームの終了フラグはそのままなので、基本セットと同じくらいあっけなく、ゲームの終わりがやってきます。
全プレイヤーが同じ手番数になるまでプレイして、点数の合計がもっとも高い人がゲームに勝ちます。
あそんだ感想!
とてもいい拡張です!
拡張のルールだけ読んだときには、ルール量が増えて観なきゃ行けないところも増えるんだなあ、すぐ終わっちゃうこのゲームでそんないろいろやらさえる意味あるかなあと懐疑的でしたが。
実際に遊んでみると、基本だけで遊んだときには余ったり空振りしていたボーナスや能力の活用先が増えるので、基本セットの楽しいところをシンプルに伸ばしやすいのです。
新要素である「月」は、基本ゲームの制限をちょっとだけゆるくする感じ。
最大4倍というところが目を引きますが、タイルを余分にキープできるということはそれだけ運の影響を緩和します。4倍には至らずとも、2倍3倍の恩恵を得る機会がかなり増えるのです。
さらにミープルを月に置く場合には、1手番に1つだけながらも色を自由に選べるのもポイント。これまた運の偏りによって手番が停滞する可能性を減らします。
「アドバイザー」は、獲得するだけで追加得点になる上に、「地球シャトルから直接ガニメデにミープルを運ぶ」だとか、「指定した2シンボルのボーナスを基本アクションに変える」だとか。ど派手な能力が目を引きます。
いわゆる「ぶっ壊れ」的な強力な能力を備えているように見えるので、能力のテキストを読んだだけのときには「ほんとですか?」「こんなの取ったら勝敗決まっちゃいませんか?」「獲得が必須ってことですか?」などと、これまた懐疑的に思ったものです。
しかしこれも実際に遊んでみると、他の条件やタイミングの兼ね合いでなかなか発動させることができませんし、繰り返し発動させたとて、それが本当につよいプレイなのかは決めかねる感じ。つまり、なかなかぶっ壊れないのです。
仮にめちゃくちゃ運が向いて連発できそうだったとて、あっけないとすら感じる終了フラグの短さと相まって、巧妙にゲームのバランスが保たれるように思われました。
やはりよくできている…。
そんな「月」や「アドバイザー」、拡張を入れた上でほとんど触れずに基本セットの範囲を重視してプレイしたとて、十分に勝ち目がありそうなところも好印象。
拡張によって、終了フラグまでの道のりをさまざまにたどれるゲーム展開のバリエーション、楽しさのボリュームは増えるでしょう。
ただし説明しなければいけないルール把握の負担も増すので、初めてガニメデを遊ぶときから追加する必要はないでしょう。
手に入れたゲームを3回以上遊べるような環境があるなら、ガニメデは基本と拡張をセットで揃えるのがとてもオススメです!
ついでにミニ拡張の話。
『ガニメデ』には追加植民船のプロモカードが存在します。
内容は「打ち上げで6点、ただし発進に必要なミープルを任意の色で+1」「タイルを支払うシャトルカードの枚数×2点」「ボーナスのある打ち上げた植民船カード(このカードを含む)×2点」というもの。
3種類各2枚ずつ、合計6枚あります。
使い方は基本の山札に混ぜるだけ。
もともと植民船カードは1ゲームで全ては登場しないほど十分な種類がありますし、プロモとはいえ極端なものはなく、基本セットのものとそう代わり映えしません。
なのでまあ、あったら展開のバリエーションがすこし増えそうで嬉しい気もするし、まあ無理して手に入れなくても大丈夫そうだな、という感じです。
単体で販売があるのかは把握していませんが、同じ出版社から発売されておりガニメデと世界観を共有する紙ペンゲーム『デメテル』におまけとして同梱されてます。
『ガニメデ:ムーン拡張 / Ganymede: Moon』
2-4人用 / 約20-40分 / 14歳以上
Designer: Hope S. Hwang
Artist: Oliver Mootoo
Publicher: Sorry We Are French(2019)
Ganymede: Moon | Board Game | BoardGameGeek
Ganymede: Demeter Promo Cards | Board Game | BoardGameGeek
この記事を書いたのは、なかよし☺(東京なかよしデザイン)
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