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全作オススメ! 遊んで楽しかったボードゲームのことを、ボードゲーム作家が2人がかりで書き綴るご機嫌なブログです☺

『1923 コットンクラブ / 1923 Cotton Club』ギャングを味方に素敵なジャズと密造酒でセレブリティを招こうよ【100点】

ごきげんよう、なかよしです。

突然ですが私はねえ、大学ではジャズサークルに入ってたんですよ!

とはいえ嗜んでしたのは1940年代から始まるコンボジャズの真似事。ビ・バップに始まるジャンルのやつがメインでしたから、1923年だなんて正直、守備範囲外。

そもそもその頃ってほとんど音源も残ってないし、たぶん、ビッグバンド? ディキシーランド? もしかしてジャズってくくりですらないのかも? ラグとか??

それでも知っている人の名前がゲームにチラホラ登場するんだから、ちょっと興奮を隠しきれませんねえ…。

 

と、ゲームに関係ない思い出を開陳いたしましたが。

1923年、禁酒法時代のアメリカで、ショービジネスや密造酒、ギャング、そして当時のセレブリティを扱いながら、コットンクラブ的な遊戯場を経営するボードゲームです。

感想を書いていきます。

 

目次

 

どんなゲーム?

予算をやりくりしながらギャングやアーティストを雇い、密造酒を仕入れて、自分のお店にセレブを招きます。

ゲームの最後にもっとも評判の高い店の経営者がゲームに勝利します。

 

このゲームでは、最終的な勝利点となる「評判」のほかに「犯罪」「主導権」「影響力」のパラメーターがあり、それらを操作するために手番を使っていくことになります。

店の評判を高めるのに手っ取り早いのは、セレブを招くことです。セレブを招けば、他の要素の数倍は評判を高められます。

でも当然のことながらセレブは、魅力のない店には来てくれません。その準備が整っていないなら、お店の影響力を高める必要があります。

影響力を高めるには、高くてうまいお酒か、話題になるようなショーが欠かせません。飛び切りのエンターテイナーを雇いましょう。

あるいは腕利きの用心棒…そのへんのチンピラではなく、一流のギャングスターを味方につけるのです。警察には目をつけられるかもしれませんが、主導権を握れば他のクラブよりも早くうまい話にありつけれることでしょう。

 

手番にやることを決めたら、ワーカーを配置します。早く動けるなら何かしらいいことがありますし、遅すぎるとそもそも選べなくなったりもします。

何がやれるかを制限するのは、手元の「資金」です。たいていのことはお金が解決してくれます。足りないというなら、ちょっと手を汚す暇さえあれば、まとまったお金を手に入れることもできます。

 

1ラウンドごとに3手番。全部で6ラウンド、もしくはどれかの山札が尽きるまでゲームを行います。

2ラウンド目からはイベントカードがめくられるので、追加の得点や資金獲得のチャンスを活かしていきたいところ。十分な数の護衛がいなければ、思わぬ損をしてしまうこともあるので油断なりません。

最後に得点を数えて、もっとも高いプレイヤーがゲームに勝利します。

 

たのしいね、あそんだ感想!

小さい箱から机いっぱいに広がる世界観!

どうしたってこのゲームの楽しみの中心に含まれてしまうのは、扱われている題材でしょう。だからゲームルールとは直接関係ないのに、マニュアルに登場人物の解説が結構な文量で並んでいます。

デューク・エリントンやベシー・スミスの名前にピンと来ない人でも、ルイ・アームストロングやチャールズ・チャップリンくらいになると学校の授業で聞いたことがあるのでは?

知っている名前のカードをついつい手に入れたくなってしまうのもこの手のゲームのお約束ですね。点数は伸びなくても、うちのバンマスはカウント・ベイシーだぞ…!みたいな顔したいですからね。

ちなみにチャップリンはアーティスト扱いではなく、セレブリティ枠での登場です。

また話が逸れました。

とにかく、一見目を引く華やかさ以上に、犯罪だの拳銃だの賄賂だの。なんだか殺伐ともしていますが。こういう楽しみがボードゲームしてる理由のひとつだなって改めて思います。

 

肝心のゲーム内容は、よくできたワーカープレースメントです。

ラウンドごとに限られた椅子を限られた手駒で奪い合いあうタイプ。

新規性みたいな面で特筆すべきところは見当たらなくとも、印象はむしろよくなっていますね。

プレイ時間に見合った以上の手応えを感じられるような堅実な作りです。

最初から最後までできることはあまり変わらないようにも見えるのですが、おおざっぱに序盤はお金を、中盤はアーティストやアルコールを、終盤で勝利点を稼ぐような構成になっているかと思われます。

それいこのゲームにおける最大6ラウンドというのも、ちょうど長すぎず短すぎすといったタイミングになっているので、飽きさせません。

ただランダムに公開されるだけでは指針になりにくそうなイベントカードのシステムにも、自分だけが扱える枠が設けられていることで、プレイ感の向上に貢献していそうですね。

 

コットンクラブが気に入って、この出版社の他のゲームが気になり始めちゃったから、最新作の『1998 国際宇宙ステーション』も遊びたいなあ。楽しみだなあ。

 

『1923 コットンクラブ』は名古屋のボードゲームショップ、バネストさんで和訳付きで買うことができます。

banesto.nagoya

 

『1923 コットンクラブ / 1923 Cotton Club』
2-4人用 / 約45-60分 / 12歳以上
Designer: Pau Carles
Artist: Pedro Soto
Publicher: Looping Games(2021)

1923 Cotton Club | Board Game | BoardGameGeek

 

 

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この記事を書いたのは、なかよし☺(東京なかよしデザイン)

 

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